初夏の北海道を行く

  • URLをコピーしました!

根室

北海道ジャズ喫茶巡礼/花咲線

2014年6月15日(日)

  • 11:13 釧路 JR根室本線快速(ノサップ)
  • 13:38 根室

今日は根室まで取材に出かけ、釧路に帰ってきてもう1泊の予定。

日本最東端の鉄道路線である根室本線の一部、釧路から根室までをつなぐ花咲線は、全国のローカル線の中でも車窓からの風景の美しさはトップクラスだろう。

赤字続きで運行本数が減らされ廃線の噂が絶えないが、苦境を救おうと沿線出身の漫画家モンキーパンチ先生が描いた「ルパン三世」のキャラクターたちをあしらった車両が走っているのもこの路線の呼び物。

ここしばらく雨に降られつづけていたが今日は晴れ。

エゾシカがたくさん出没する山林地帯を抜け、ときおり海を臨みながら広大な釧根台地をまっすぐ東に進む路線は見どころがたっぷりで、根室までの間、ずっと車両の最後尾に立って窓越しにカメラのシャッターを切り続けてしまった。

北海道ジャズ喫茶巡礼/花咲線
北海道ジャズ喫茶巡礼/花咲線
道ジャズ喫茶巡礼/根室駅

14:30 サテンドール

日本最東端のジャズ喫茶。

根室駅からは思いのほか近く、駅前の大通りをほんの2分も歩けば着いてしまう。グーグルマップで測ると160m。

マスターの谷内田さんは、訥々とした口調は穏やかだが、芯はとても強そうな、いかにも北国の人という感じ。昭和の洋風喫茶店のスタイルを守った店内の雰囲気も素敵だが、カウンターでマスターのお話を伺いながら飲むコーヒーがなにより美味かった。

◎サテンドールの取材記事はこちら◎


  • 16:00 根室 JR花咲線普通
  • 18:19 釧路

根室から釧路まで、左手に夕暮れの海を眺めながらの花咲線のひとときは美しかった。

ホテルに荷物を置いたあと、この街いちばんの名所、幣舞橋(ぬさまいばし)まで歩き、釧路川とその脇にたたずむフィッシャーマンズワーフMOOを眺め、橋のたもとから釧路の居酒屋や飲食店が集まった繁華街末広へ向かう。

釧路いちばんの繁華街とはいってもシャッターを閉じた店や、灯を消してしまった店が多く、にぎやかさはない。

めあては釧路の名物料理「ザンギ」だ。

ザンギとは唐揚げ料理で、北海道では鶏、豚からタコ、イカ、鮭など魚介類にいたるまで、醤油、生姜、ニンニクに漬け込んで油で揚げたものをみな「ザンギ」と呼ぶことが多い。

従来の唐揚げとの区別は明確ではないが、「ザンギ」という名のついた料理の発祥は、この釧路・末広の料理屋が始めた鶏の唐揚げらしい。

暗い街灯を頼りに釧路でザンギがいちばん美味いと評判の「鳥善(とりよし)」を探す。

かんたんに店の前でまでたどりつくことができたが、看板の明かりはついてはいるものの、玄関の扉が開かない。ガラス窓からは中の様子がまったくわからなくて休業のようにもみえる。

あきらめずに裏手に回るとそこに小さなバーの扉のようなものがあり、押してみると開いた。店の中は明かりがついていて、L字型のカウンターがあり、カップル客が1組すでに座っていた。

店主らしき人に「やっていますか?」と挨拶をすると「うちはザンギだけだけど、それでもよかったら」との返事。カップルから2席ほど離れたL字カウンターの隅に家人と並んで座る。

メニューをみると「ザンギ(骨付き)」「ザンギ(骨なし)」「とりの唐揚げ」の3種類しかない。

骨付きはもも肉、骨なしは胸肉。「とりの唐揚げ」が他のザンギとどう違うのか、店主に聞いてみたのだが、答えは忘れてしまった。家人は骨なし、私は骨付きを頼み、つきだしの枝豆を口に入れながらサッポロ生ビールを大ジョッキで飲む。

やがてそれぞれひと皿に7〜8個ぐらいのせられたザンギが、カウンター向こうの店主から手渡しされた。

小皿に入ったウースターソースのような色と味の特製タレにお好みで胡椒を入れて、これにザンギをつけて食べる。サッパリとしてニンニク臭がなく、油でベタついた感じもない。何個でもいけそうだ。

われわれ夫婦が食べ終わるころにはL字カウンターは客でいっぱいになっており、店主とあれこれ世間話をしている。

隣のカップルの女性は中国人のようだ。そのカップルが帰ったあと、われわれも勘定をすませると、席を立つときに店主が「ハイ、これはおみやげ」といって紙で包んだ1人前ほどのザンギが入った袋を渡してくれた。先のカップルも同じように渡されていたので、この店恒例のサービスなのだろう。

北海道ジャズ喫茶巡礼/釧路
北海道ジャズ喫茶巡礼/釧路ザンギ・鳥善
北海道ジャズ喫茶巡礼/釧路ザンギ

1 2 3 4 5 6 7

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする